境内に50種約1,500本もの梅がある『北野天満宮』に行ってきました。
種類が多く早咲き~遅咲きまで揃っているため、1月から3月まで梅が咲いている『北野天満宮』ですが、その見頃は例年2月下旬から3月中旬とされています。
今回は、梅の見頃シーズン真っ盛りである2019年3月上旬の平日昼間に『北野天満宮』に行ってきたレポートをご紹介したいと思います。
梅と牛の神社『北野天満宮』
まずは北野天満宮に梅を見に行くにあたって、知っておいた方がより楽しめる!という知識を簡単にご紹介します。
簡単にでも知っているのと知っていないのでは北野天満宮の梅の見方も変わるはずです。
北野天満宮とは?
北野天満宮は、京都市上京区にある神社です。
福岡県太宰府市の太宰府天満宮でも有名な菅原道真を祀っています。そのため菅原道真と関係の深い梅や牛が象徴となっている他、学問の神として受験生の合格祈願の信仰も集めています。
菅原道真
平安時代の貴族である菅原道真は右大臣にまで重用されて朝廷の政治を支えましたが、左大臣・藤原時平の虚言によって左遷され、太宰府で亡くなってしまいます。
菅原道真の死後に京都では落雷などの災害が相次ぎ、これが菅原道真の祟りだと恐れられ、朝廷の命によって菅原道真を祀る社殿を造ったのが北野天満宮となります。
七不思議
北野天満宮には古くから伝わる七不思議があります。
- 影向松
- 筋違いの本殿
- 星欠けの三光門
- 大黒天の燈籠
- 唯一の立ち牛
- 裏の社
- 天狗山
気になる方は北野天満宮の公式サイトをチェックしてみてください。
北野天満宮の象徴「梅」
菅原道真は梅が好きで、太宰府への左遷の際にも次の和歌を詠んでいます。上の写真のように、北野天満宮の入口にある楼門にもこの和歌が飾られています。
東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな
そのため、北野天満宮の神紋は梅がモチーフにされており、2万坪の敷地には50種1,500本もの梅が植えられています。
梅の本数や広さでは、京都随一の梅の名所です。
また、菅原道真の命日とされる2月25日は梅花祭が行われ、この日だけは駐車場も閉鎖されるほど非常に混雑します。
北野天満宮の象徴「牛」
北野天満宮のもう1つの象徴が牛で、境内の至ることろに牛の石像が置いてあります。牛の頭をなでると頭が良くなると言われていて、受験生の合格祈願の1つになっています。
上の写真もその1つで楼門をくぐった先の右手にあります。北野天満宮で唯一の目が赤い牛(赤目牛)です。なぜ赤目なのかは色々な説があるようですが、よく分からないのが実情です。
神の使者として牛がたくさんいる北野天満宮ですが、なぜ牛なのかというのも色々な説があるようです。
- 菅原道真の出生年が丑年(牛年)である
- 亡くなったのが丑の月の丑の日である
- 菅原道真は牛に乗って太宰府へ下った
- 牛が刺客から菅原道真を守った
- 菅原道真の墓の場所は牛が決めた
どれが真実なのか、全て間違いなのか、これも今となってはよく分からないそうです。
梅の名所「梅苑」
京都の梅の名所の1つとなっている北野天満宮ですが、特に梅が多く植えられている「梅苑」は特定の期間にしか公開されません。
公開期間
梅が見頃となる2月上旬~3月下旬の9:00~16:00に公開されます。ただし、毎年の開花状況によって多少前後します。
加えて金土日については、日没~20:00でライトアップされた梅苑が公開されます。2019年は、2/22(金)~3/17(日)の期間となりました。
料金
入苑料は大人800円、こども400円です。
お茶とお菓子付きです。詳しくは下のレポートをご覧ください。
梅の見頃シーズンのレポート
2019年の梅の見頃となった3月上旬の平日12:00頃に北野天満宮に行ってきました。
無料の駐車場があるため車で行けるので便利です。車ではない場合はバスで北野天満宮前下車となります。
混雑具合
梅の見頃とは言っても、2~3月は京都はオフシーズンであり、観光客は少ない時期です。
そのため、北野天満宮についても平日は全く混雑していません。駐車場には待ちなしで入れますし、人が邪魔で梅や牛が見られないということも全くありません。
毎年2/25の梅花祭は混雑するそうですが、その他の日にちであれば大丈夫です。
境内(無料ゾーン)
まずは梅苑以外の無料でも梅を楽しめるゾーンからご紹介します。
梅苑以外でも本殿の周りにはたくさんの梅が咲いていました。見頃とされている3月上旬でも、種類が多いため、満開の梅、すでに枯れ落ちつつある梅、まだ蕾の梅と、色々な梅が楽しめます。
白い梅。これはほぼ満開という感じでとても綺麗です。
神社ならではの灯籠と梅の組み合わせも写真映えしますね。
こちらは赤い梅ですが、ほぼ蕾です。これはこれで美しいです。
写真のような蕾の赤い梅もあれば、咲いている赤い梅もあります。
国宝である本殿には、左手に梅、右手に松があります。
梅シーズンなので梅の方に人が集まりがちですが、松も負けず劣らず立派なので必見です。
本殿への入口にある三光門にも、梅の神紋と松が描かれています。
梅苑(有料ゾーン)
本殿をまわって三光門から出てくると、絵馬所の前から梅苑に入ります。
チケットは大人800円、こども400円です。(後ほど出てきますが、お茶とお菓子付きです。)
庭園
梅苑入口となっていますが、入ってすぐのところは「庭園」です。
初めて行って地図も見ていないと、え?ここが梅苑なの?と分からなくなりますが、梅苑はまだ先にあります。
庭園にはしだれ梅がたくさんあり、ここはここで見事です。
もみじ苑/史跡御土居
庭園を奥に進んで、少し下に降りたところは、もみじ苑/史跡御土居です。
北野天満宮の境内西側を流れる紙屋川に沿って約350本のもみじがある散策道となっている「もみじ苑」であり、豊臣秀吉が水防のために「御土居」を築き上げた場所でもあります。
ここにも梅は咲いていましたが、境内の他の部分と比べてしまうと物足りないかも。
川の水は綺麗ですし、散策道というだけあって道も綺麗に整備されており、ここでのお散歩もオススメです。
紅葉の季節がどうなるのか気になります。
紙屋川にかかる「鶯橋」です。
川や木々といった自然の中にあって、朱色が綺麗に映えます。
その名の通り、この辺りで春には鶯が鳴くそうです。なんとも風流の塊のような場所です。
もみじ苑/史跡御土居で有名なのが「三股の紅葉」です。
樹齢400年超と言われている紅葉で、その名の通り根本から3つに分かれています。
その3つがさらに枝分かれしているので、5又くらいに見えます。
梅苑
そしてついに梅苑へ。梅苑は北野天満宮の南側にあり、一の鳥居から楼門に向かう道の左側にあります。
たくさんの梅が咲き乱れ、その間に張り巡らされた小道を歩いて鑑賞できます。
本殿の周りと同じように、「梅の見頃」シーズンとは言っても、上の写真のような満開状態の梅から、まだ蕾の梅、もう終わってしまった梅など、多くの状態を見ることができます。
茶菓子
梅苑の入場料には茶菓子が付いてきます。入口(2箇所)に係員さんが居ますので、チケットを見せてお茶とお菓子をもらいましょう。
梅苑を見渡せる場所に席が用意されており、湯呑とポットが置いてあります。
湯呑にお茶とお湯を注ぐと梅昆布茶の出来上がり。
お菓子は菅公梅(かんこうばい)という、梅の花から着想したという赤白の麩焼き煎餅です。
ちなみに、追加で甘酒、抹茶、だんご、うどんなども注文できます。
メニューがこちら。
主なメニューは、
- あかつきうどん 800円
- 七軒だんご 400円
- 抹茶 700円
- 甘酒 300円
です。裏にも他のメニューが乗っており、ちらほらと注文している人がいました。
甘酒飲みたい!
ということで、妻も注文していました。
甘酒 300円
思った以上にドロっとしており、米麹のつぶつぶがそのまま入っています。
甘酒の酒臭さが苦手な僕でもこれは飲めました。逆に、かなり砂糖が入っているのかとても甘く、妻は想定外だったようです。
アクセス
基本情報
住所:〒602-8386 京都府京都市上京区馬喰町
営業時間:5:00~18:00(4~9月)、5:30~17:30(10~3月)
電車・バス路線
最寄駅は京福電鉄北野線の北野白梅町駅で徒歩10分ほどですが、この路線はここと嵐山をつないでいるだけなので、観光客はあまり利用しないかと思います。
北野天満宮に行くなら、京都駅や二条駅等からバスを利用するのが一般的です。
- JR京都駅から50・101番
- JR二条駅・地下鉄二条駅から55番
- 地下鉄今出川駅から51・102・203番
- 京阪出町柳駅から102・203番
- 京阪三条駅から10番
あたりのバスとなります。いずれも北野天満宮前というバス停で降りればすぐ目の前です。
梅苑の開苑時間
梅苑については、例年2月初旬~3月下旬まで(※開花状況による)の公開となっており、開苑時間は9~16時です。金土日については、日没~20:00まで梅苑ライトアップも行われています。
Webサイト
北野天満宮Webサイト:http://www.kitanotenmangu.or.jp/index.php
様々な情報が非常に見やすくまとめられていますので、北野天満宮に行く方は必見です。
とりあえず「みどころ」のページだけでも見ておくと、北野天満宮の観光がぐっと面白くなると思います。
駐車場
北野天満宮の南東部は無料駐車場として利用できます。300台ほど停められるスペースとなっています。梅の見頃シーズンでしたが、待ち時間もなく、すぐに駐車できました。
原則として9:00~17:00の開場ですが、ライトアップの行われる期間は時間延長されます。
ただし、毎月25日(2/25の梅花祭を含む)だけは縁日で混み合うため、駐車場は利用できないことに注意してください。
まとめ
2019年3月上旬、梅の見頃シーズンを迎えた『北野天満宮』に行ってきました。
京都全体がオフシーズンであることもあって観光客も少なく、平日昼頃でしたが、無料駐車場の待ち時間もなく、快適に梅や牛を見ることができました。
本殿まわりの無料ゾーンだけでも十分に梅を楽しむことができます。
梅苑の入場料800円はちょっと高いかな?と思ったのですが、茶菓子付きですし、もみじ苑等も含めて見所は多いので、終わってみれば納得のお値段でした。
以上、北野天満宮の梅レポートでした!